印刷物は脳に良い刺激を与える!? 最新の研究が実証(前編)
デバイスの目覚ましい発展に伴い、様々な分野・場面でペーパーレス化が進められています。今では、書類にサインをしたり、印鑑を押したりといった作業まで、ディスプレイ上で行うサービスまで出現しているほどです。
世の中の流れはこのままペーパーレスに向かっていくのでしょうか。
実は、このような流れに対し、国内外で紙の印刷物に関する研究が様々なされています。
中でも、「印刷物は脳により強い刺激を与える」という研究結果を発表している団体が複数あり、注目を集めています。
印刷物が脳に対してより強い刺激を与えているというのは、どういうことなのでしょうか。
印刷物を見るとき、脳はより強い刺激を受けている
2013年、トッパン・フォームズ株式会社と株式会社ニューロ・テクニカ、国際医療福祉大学教授中川雅文博士の三者により、紙媒体で情報を見た時と、ディスプレイを介して見た時で、脳の反応を比べる、という試みがなされました。
その結果、紙の印刷物を見た時とディスプレイを見たときでは、人の脳は全く異なる反応を示すことが明らかになりました。
特筆すべきはその内容です。
紙の印刷物を見たときには、ディスプレイを見たときに比べ、前頭前皮質が特に強く反応したというのです。
前頭前皮質は、脳において特に情報を理解することや、受け取った情報や思考の整理・判断を司るといわれています。
この部分が強く反応したということは、人は、紙に印刷された情報を目にすると、無意識にそこに書かれている内容を理解し、知識として整理しようとするということです。
一方、ディスプレイに表示された情報を見たときには、視覚を司る部分の反応は強いのですが、情報を司る部分はそれほど強く刺激されていないという結果でした。
(出典:https://www.toppan-f.co.jp/news/2013/0723.html)
印刷物の方が、後から鮮明に思い出せる
印刷された媒体の強みは、実際に手に取ることができることです。
物理的に手もとに残るため、後から記憶を呼び覚ましやすいという特徴もあります。
ノルウェイでは、紙での読書と電子書籍での読書後、どちらがより情報を思い出せるか、という実験が行われています。
この実験では、同じ書籍を一方の被験者は紙で、他方はKindleを利用して電子書籍で読んだ後に、内容の理解度についてテストをする、という内容でした。
その結果、、、、
(後編に続く)