デジタルとリアルをつなげる、イノベーティブな印刷物(前編)
ダイレクトメールといえば、昔は郵便で届く手紙や葉書が一般的でした。しかし、インターネットの普及とweb上で完結するサービスの充実により、最近ではそのようなリアルな媒体よりも、メールマガジンやスマートホンのアプリ内メッセージなど、デジタルな媒体が中心となっています。
現代社会において、紙に印刷されたダイレクトメールは手間の割に効果が低いという人もいますが、本当にそうなのでしょうか。
実は今、デジタルとアナログのそれぞれの良さを融合させた、新しいダイレクトメールの手法が始まり、効果を見せています。
今回はマーケティング界に新しい風をもたらすイノベーティブな印刷物を紹介します。
デジタルだけじゃない、アナログだけでもない
デジタルの効率性とアナログの温かさが融合した、全く新しいマーケティングが始まっています。
この施策が始めて実施されたのは、2017年の年末。顧客に向けたクリスマスキャンペーンでした。
これまで顧客としてサービスを利用したことのある企業担当者に対し、クリスマスカードを送付し、web上のキャンペーンページへ誘導する、という施策です。キャンペーンの内容としては、動画を閲覧し、回答フォームから回答を送信すると、抽選でギフトカードが当たるという内容。
キャンペーン期間は2017年12月20日〜27日の7日間、実際に送付されたクリスマスカードは203通でした。
これだけ見ると、よく見かけるダイレクトメールの類いと感じるかもしれません。ですが、この施策の驚くべきポイントは、その成果率です。
キャンペーン中のサイトアクセス率は、なんと51%! キャンペーン応募率は38%と、大変高い結果となったのです。
データベースと連動したダイレクトメール
なぜこの施策はこれほどまでに高い成果を上げることができたのでしょうか。
実は、その秘密はデジタルとアナログの融合にあります。
この施策では、クリスマスカードにQRコードを印刷し、そのQRコードからキャンペーンページへ誘導する形を取っていました。ポイントは、QRコードは顧客ごとに異なるパーソナルURLを使用しており、アクセスデータを取得していたということです。
つまり、どの顧客がキャンペーンページへアクセスしたのか、あるいはフォームに回答したのかを把握することができる仕組みとなっていたのです。
その上で、カード到着後もサイトへのアクセスがない、あるいはアクセスしたにも関わらずフォームに回答がなかった顧客に対して、今度はメールでフォローメールを送付しました。その結果、カードからのアクセス率34%、メールからのアクセス率23%、全体では51%のユーザーがサイトへアクセスするという、驚異的な結果を生み出すに至ったのです。
(後編に続く)